健康のための運動ガイドライン
健康的な生活を維持するために、運動は欠かせません。
しかし、具体的にどれくらいの運動を、どのくらいの頻度で行うべきか迷われる方も多いのではないでしょうか。
日本の厚生労働省は、成人に向けに推奨される運動量や運動強度を定めており、そのガイドラインに沿って運動習慣を身につけることで、さまざまな健康効果が得られます。
本記事では、厚生労働省の運動推奨を参考に、運動の強度や頻度、その効果について詳しく解説します。
厚生労働省が推奨する運動量
1週間に150分の中強度の有酸素運動

厚生労働省が推奨する成人向けの運動ガイドラインでは、1週間に150分以上の中強度の有酸素運動を行うことが推奨されています。
たとえば、1日あたり約30分の運動を週5日行えば合計で150分になります。
中強度の運動とは、早歩きや軽いジョギング、サイクリングなどの少し息が上がるが会話が続けられる程度の運動を指します。
週に2回以上の筋力トレーニング

心肺機能を高める有酸素運動に加え、週に2回以上、筋肉に負荷をかける筋力トレーニングも推奨されています。
これには、ウエイトトレーニングや、自分の体重を使って行うスクワットや腕立て伏せなどが含まれます。
筋力トレーニングは、筋肉量を維持・向上させるだけでなく、基礎代謝を高め、全身のエネルギー消費を促進する効果があります。
運動強度の目安
中強度運動の目安

中強度運動の目安は、「軽く息が上がる程度」とされています。
具体的な運動としては、以下のようなものが該当します。
早歩き(約4〜5km程度)
軽いジョギング
サイクリング(平坦な道を20分程度)
ローイング(ゆっくりとしたペース)
水泳(ゆっくり泳ぐ)
軽いエアロビクス
中強度の運動は、脂肪燃焼や心肺機能の向上に効果的であり、日常生活で体を動かす習慣を身につけるための第一歩として適しています。
高強度運動の目安

高強度運動は、息が切れて会話が難しくなる程度の運動を指します。
短時間で多くのエネルギーを消費できるため、持久力や筋力を向上させるのに効果的です。具体的には、以下のような運動が該当します。
激しいジョギングやランニング
ヒルクライムを伴うサイクリング
ハイインテンシティインターバルトレーニング(HIIT:短時間で高強度の運動と休息を繰り返すトレーニング法)
クロスフィット(さまざまな運動を組み合わせて行うトレーニング)
各種スポーツ(サッカー、バスケットボールなど)
高強度の運動なら、週に75分行えば、中強度の運動を150分行った場合と同じくらいの効果が期待できます。
運動の頻度と健康効果
心肺機能の向上
有酸素運動を継続することで、心臓と肺が効率的に働き、全身に酸素を送り届ける能力が向上します。
これにより、日常生活での動作が楽になり、運動中の持久力も向上します。
また、心臓病や高血圧、糖尿病など、さまざまな生活習慣病のリスクも下げることができます。
筋力と骨の強化
筋力トレーニングを取り入れることで、筋肉量を維持し、加齢による筋力の低下を防ぐことができます。
さらに、骨に負荷をかけることで、骨密度の維持や向上が期待でき、骨粗しょう症の予防にもつながります。
精神的な健康への効果
運動には、メンタルヘルスの改善効果もあります。
運動をすることで分泌される「エンドルフィン」や「セロトニン」という物質は、気分を明るくし、ストレスや不安を和らげる働きがあります。
また、運動習慣を持つことで、自己肯定感が高まり、前向きな気持ちになりやすくなります。
どんな運動を取り入れるべきか?
日常生活に運動を取り入れる
運動習慣をつけるためには、必ずしもジムに通ったり特定のスポーツをしたりする必要はありません。
日常生活の中で、意識的に体を動かすことも効果的です。
例えば、エレベーターの代わりに階段を使う、通勤時に少し遠回りして歩くなど、日常生活の中で自然に運動量を増やすことができます。
好きな運動を見つける
運動を続けるためには、自分が楽しめる運動を選ぶことが大切です。例えば、友人とウォーキングをしたり、自宅でストレッチをしたり、グループレッスンに参加するなど、自分に合った方法を取り入れましょう。
運動が楽しいと感じることで、長く続けやすくなります。
適切な運動を習慣にして健康的な生活を送りましょう
日本の厚生労働省が推奨する運動量は、健康的な生活を送るための指針です。
1週間に150分の中強度の運動と、週に2回の筋力トレーニングを目標に、日常生活の中に無理なく取り入れてみましょう。
運動は体力や身体の健康だけでなく、心の健康にも良い影響を与えます。
今日から少しずつでも運動を始めて、より健康的な生活を目指しましょう。
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